家財保険はいくらかける?
相場と、世帯別の目安表

2026年9月

家財の保険金額を、きりのいい数字でなんとなく決めていないだろうか。
契約したあと、一度も見直していない人が多い。

根拠を持てないのには、事情がある。
金額を聞かれるのは契約のその場で、考える時間がない。
そのあとも、見直すきっかけは自分からは訪れない。

この記事では、保険会社が公表している世帯別の目安表を載せた。
多すぎる場合と少なすぎる場合に、何が起きるかも書いている。
読めば、自分の金額が合っているかを確かめられる。

結論から言うと、目安表は正解ではなく出発点になる。
それでも、知っていれば保険料も受取額も変わってくる。

ドアの外から見た、ごく普通の片づいたリビングとダイニング

「なんとなく決めた」人が、ほとんどだ

金額を聞かれるのは、契約書に署名する直前のことが多い。
500万円、1,000万円。その場で、きりのいい数字を選ぶことになる。

根拠を持ちようがない場面なので、それで正しい。
問題は、そのあと見直す機会が一度も来ないことのほうだ。

多すぎれば、その分の保険料を毎年余分に払い続けることになる。
少なすぎれば、いざという時に足りない。
どちらも、気づかないまま続く静かな損になる。

保険金額は「今、買い直すといくらか」で決める

家財の保険金額には、基準がある。
再調達価額と呼ばれるものだ。

今持っている物を、今の価格で買い直すといくらかかるか。
それが基準になる。買った時の値段でも、売ったらいくらかでもない。

ある保険会社は、家財の保険金額の条件をこう説明している。
「100万円から10万円単位、再調達価額を限度とします」。
つまり、再調達価額が設定できる金額の上限になる。

新価と時価の違いは「家財保険は必要ない?」でも書いた。
ここでは、その金額をどう見積もるかを扱う。

世帯別の目安表

自分の持ち物を1つずつ足すのは大変だ。
そこで保険会社は、世帯構成から目安を出す表を用意している。

大人2人・子ども2人の世帯で見ると、こうなる。

世帯主の年齢目安額
25歳前後680万円
30歳前後900万円
35歳前後1,110万円
40歳前後1,330万円
45歳前後1,550万円
50歳前後以上1,760万円

年齢が上がるほど金額も上がる。
持ち物が少しずつ増え、単価の高い家具や家電に替わっていくからだ。

家族の人数でも変わる

同じ年齢でも、人数が増えれば持ち物は増える。
35歳前後の世帯主を例に、人数ごとの違いを見てみる。

世帯主35歳前後の目安額(人数別) 大人2人 940万円 +子ども1人 1,020万円 +子ども2人 1,110万円 +子ども3人 1,200万円 子ども1人につき、目安額はおよそ80〜90万円ずつ増える。
同じ年齢でも、家族の人数だけ目安額は変わる。

表にない人数の場合は、次の式で足し引きできる。

大人(18歳以上)1人につき+170万円、
子ども(18歳未満)1人につき+90万円

単身世帯は、表そのものが少ない

1人暮らしの目安を出している保険会社は少ない。
出ている場合でも、100万円から500万円と幅が広く、300万円前後が多い。

幅が広いのは、単身世帯ほど持ち物の差が大きいからだ。
実家から出たばかりの人と、長く一人暮らしをしている人では、家財の総額がまるで違う。

表の数字が、自分の家と合わない時

表は、アンケート調査から出した平均だ。
自分の家がその通りとは限らない。

物を増やす趣味がある。楽器や仕事道具がある。
そういう家は、表より多く持っている可能性が高い。

逆に、物を持たない暮らしをしていれば、表より少ないこともある。

一番確実なのは、家財リストを作って実額を足すことだ。
表は、リストを作るまでの仮の数字と考えるとちょうどいい。

多すぎる場合、静かに保険料を払い続けている

保険料は、保険金額にほぼ比例して決まる。
相場より大きく超えて設定していれば、その分だけ余分な保険料を払っている可能性がある。

正確な金額は保険会社や契約条件によって変わるので、ここでは断定しない。
ただし、金額を下げても、補償される範囲は変わらないという点は覚えておいてよい。

自分の持ち物の総額より明らかに保険金額が大きいなら、下げる相談をする価値がある。

少なすぎる場合、上限で止まる

支払われる保険金は、契約した保険金額が上限になる。
実際の被害額がそれを超えても、上限までしか出ない。

支払い額の計算そのものは「支払い事例まとめ」で書いた。
ここで押さえておきたいのは、上限を決めているのは自分自身だということだ。

保険金額700万円の契約で、実際の家財が1,000万円分あった場合。
全損しても、支払われるのは700万円までになる。

決め方の3ステップ

  1. 世帯別の目安表で、自分の家族構成に近い数字を見る
  2. 心当たりのある差(物が多い・少ない)があれば、表から足し引きする
  3. 今の契約金額と比べて、大きくずれていれば保険会社に相談する

家財リストがあれば、1と2は実額に置き換えられる。
無ければ、表の数字を出発点にして構わない。

見直したほうがいいタイミング

毎年見直す必要はない。
この4つのタイミングだけ、金額を思い出せば十分だ。

よくある疑問に、先に答えておく

表の金額と実際の持ち物、どちらを信じればいい?

実額が分かるなら、実額を優先する。
分からない場合だけ、表の数字を使えばいい。

保険金額を減らすと、保険料もすぐ下がる?

下がることが多いが、いつから反映されるかは契約次第だ。
正確なところは、保険会社に確認したほうが確実になる。

賃貸と持ち家で、決め方は違う?

家財の金額の決め方自体は同じだ。
ただし賃貸には、借家人賠償責任保険という別の補償が絡んでくる。

単身世帯はなぜ、表がはっきりしないのか

保険会社ごとに出している目安が違うからだ。
300万円前後を出発点にして、自分の持ち物と比べるのが実務的になる。

地震保険の金額は、この目安と同じ?

別の話になる。
地震保険の金額は、この家財保険の金額の30〜50%という別ルールで決まる。
詳しくは「地震保険は必要か」に書いた。

表は出発点でしかない

世帯別の目安表は、正解を教えてくれるものではない。
なんとなく決めていた金額に、根拠を1つ足すための道具だ。

多すぎず、少なすぎず。
その線を知っているだけで、毎年の保険料も、いざという時の受取額も変わってくる。

このサイトについて

「モノレキ」という名前で、家にある物の買い替え時期と保険を1画面で見るアプリを作っている。

家財リストを作っておけば、この記事の表より正確な実額が出せる。
登録した物の合計額が、そのまま保険金額の見直し材料になる。

公開は2026年12月を予定している。まだ完成していない。

出典

世帯主年齢・家族人数別の家財簡易評価表(再調達価額の目安)について。
セゾン自動車火災「家財の保険金額の目安は?(家財簡易評価表)」

本文の数字は2026年8月26日に上記ページで確認した。表は2025年1月時点のものとして公開されている。
単身世帯の目安(100万〜500万円)は、複数の保険会社が案内している一般的な範囲だ。
特定の1社の統計ではない。

いずれも実際の評価額とは異なる場合がある目安だ。
正確な金額は保険会社のシミュレーションか、家財リストの実額で確認してほしい。

← 記事の一覧へ