家財リストは、なぜ作ったほうがいいのか
家財リストを作ったほうがいいと聞いても、作ったことがないのではないだろうか。
ほとんどの人が、同じ状態にある。
作られないのには、はっきりした理由がある。
普段の生活では、家にある物の一覧はまったく必要ない。
必要になるのは、保険を請求する日だけだからだ。
この記事では、リストに書いておきたい4項目を挙げた。
ノートやExcelでは続かない理由と、始め方も書いている。
読めば、災害の日に家族が説明で困らない形を作れる。
結論から言うと、リストは作った日から働き始める。
作らなければ、その日はいつまでも来ない。
「家財リスト」を作ったことがある人は、ほとんどいない
家にある物を、ひとつひとつ書き出したことはあるだろうか。
たぶん、ないはずだ。それが普通だ。
家財リストは、作らなくても毎日の生活には困らない。
だから後回しになる。今のままでも、何も問題は起きていない。
問題が起きるのは、家が火事になった日や、地震で物が壊れた日だ。
その日になって初めて、リストがないことに気づく。
なぜ「リスト」が要るのか
火災保険も地震保険も、被害を申請すれば自動でお金が出るわけではない。
何を、いつ、いくらで買ったかを、自分で示す必要がある。
保険会社に申請するとき、記憶だけで品物を並べようとすると、たいてい半分も思い出せない。
領収書は物と一緒に燃えたり、水に濡れたりして残らないことも多い。
だから「物が無事なうちに」記録しておくことに意味がある。
説明するのが、自分だとは限らない
家財リストは、自分ひとりのための物ではない。
災害が起きた日、家にいるのが自分だとは限らない。
仕事に出ているかもしれないし、入院しているかもしれない。
その時、保険会社に「何が壊れたか」を伝えるのは家族になる。
リストがあれば、家族はそれを見ながら話せる。
なければ、記憶だけで説明することになる。
家族が家電の値段や買った年を覚えていることは、まずない。
それは家族が無関心なのではなく、覚える理由がなかっただけだ。
リストに書いておきたい項目
最低限、次の4つがあれば申請の材料になる。
- 商品名
- 買った日
- 買った値段
- 写真(本体・できればレシートも)
これに保証書や保険の紐づけを足せば、なお良い。
ただし全部を完璧にそろえる必要はない。分かる範囲で十分だ。
この4つのうち、いちばん詰まるのが「買った日」だと思う。
調べ方は家電の買い替えの記事にまとめた。
ノートやExcelでも作れるが、続かない理由
紙のノートやExcelでも、家財リストは作れる。
実際に始めた人もいる。だが、たいてい途中でやめる。
理由は単純で、入力が面倒だからだ。
型番や値段を手で打ち込む作業は、10品目もあれば飽きる。
写真とメモを両方管理しようとすると、どのファイルがどの品物か、後で分からなくなることも多い。
アプリが向いている理由
スマホのアプリなら、写真を撮った瞬間にその場で記録できる。
部屋を1枚撮って、写っている物をタップして登録する形なら、1品ずつ撮り直す手間もない。
買った日から「あとどれぐらい持つか」を自動で計算してくれれば、リストは家計簿としても使える。防災用の記録だけで終わらない。
まず何から始めればいいか
全部の部屋を一度に片づけようとすると、必ず挫折する。
まずは1部屋、あるいは高い物だけでいい。
- 冷蔵庫・洗濯機・テレビなど、買い替えたら痛い物
- 保険証券(火災保険・地震保険)の写真
- レシートや保証書が手元にある物
この3つだけでも、いざという時の材料になる。
ひとりで全部やらなくていい
家にある物を一番よく知っているのは、いつも同じ人とは限らない。
台所の物は妻のほうが詳しく、子どもの部屋の物は本人しか知らない。
全部を自分で調べようとすると、それだけで面倒になって止まる。
「自分の部屋の物は自分で入れる」と分担すれば、1人あたりの負担は減る。
そして分担そのものが、家族に「記録がある」ことを伝える機会になる。
リストは、その存在を家族が知らなければ使われない。
よくある疑問に、先に答えておく
服や食器まで、全部書くのか
書かなくていい。全部を目指すと、始める前に嫌になる。
服や食器は「食器類が一式」くらいのまとめ方で十分だ。
1点ずつ書くのは、高い物だけでいい。
値段は、買った時の額でいいのか
買った時の額と日付を書いておけばいい。
今いくらの価値か、という計算は保険会社の側がする。
レシートがない物は、諦めるしかないのか
諦めなくていい。
写真と型番があれば、材料としては十分に働く。
買った時期は、だいたいで書いておけばいい。
「2020年ごろ」でも、何も無いよりずっと強い。
このリストは、どこかに提出するものなのか
ちがう。ふだんは家に置いておくだけのものだ。
出番は請求の時になる。
何が壊れたかを書き出す時の、元の資料として働く。
作るのに、どれくらいかかるのか
高い物だけなら、1部屋15分もあれば足りる。
週末に1部屋ずつでも、1ヶ月で家じゅうが終わる。
何もしなければ、リストは今日もまだ存在しない
家財リストを作るかどうかは、今日決めなくてもいい話に見える。
でも、災害はカレンダーを見て来ない。
作った日から、そのリストは働き始める。
作らなければ、その日はいつまでも来ない。
「モノレキ」という名前で、家にある物の買い替え時期と保険を1画面で見るアプリを作っている。
品を1つずつ写真に残しながら登録する。写真は1つの品に何枚でも付けられる。データは端末の中だけに置く。
家族を登録しておくと、誰が入れた物かが残る。分担して入れるためのしくみだ。
公開は2026年12月を予定している。まだ完成していない。